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2008年11月12日 (水)

エキゾチック

さて、今日はちょっと物理っぽいお話をします。

実験で物性系のことをやっているというのは以前話しましたね。

今日はそれで超電導のプレゼン用のデータや写真を撮った。(次回からは別の内容に移るので)

ということでその中の一つを紹介します。

●YBCOが浮いてる写真

Nec_0028

YBCOとは

Y(イットリウム)

Ba(バリウム)

Cu(銅)

O(酸素)

から成る物質で原料は

Y₂、O₂、BaCO₃、CuO

と小学生のお小遣いでも買えるものである。

正確にはYBCO「Y Ba₂Cu₃O₇」という化学式

これを原料からどうやって作ったかというと

Cocolog_oekaki_2008_11_12_21_47

という反応式を使って計算すれば原料比率が求まります。多少の高校化学の知識が必要かも…

量さえわかれば、あとは電子秤で精密な量だけ乳鉢に入れてゴリゴリするだけ

このとき注意するのは、一生懸命ゴリゴリすること!しっかり混ざらないとこれから焼くときに割れる。

次に混ぜたものを圧力なんとかでプレスして固めて、型を作る。

それを900度で12時間ほど焼く。陶器みたいにね(笑

ホントは焼き方ってのも複雑で難しく、今回はプログラム&タイマー機能付きのやつで僕らが寝てる間に34時間ほどかけて焼いてもらった。便利な世の中だ全く。

そうこうしてる間に出来上がりと!

この完成したYBCOは95ケルビン(おおざっぱに言うと-200°)あたりで別の物質になる(超伝導)。この細かい話は以前したので端折る。

この状態になると写真のように磁石版の上に置くと浮くんです。

不思議でしょ?

実はこれ、超伝導の話とはちょっと違うことが原因らしいんですが

要は…

分子の中の原子

原子の中の中性子

その中性子の周りに回るe⁻(自由電子)のもつスピンの磁気相互作用の話。

N極とS極の磁石を半分にするとどうなるか知ってますか?

Cocolog_oekaki_2008_11_12_22_22

ってなります。

これをミクロまで永遠にやっていくと…

Cocolog_oekaki_2008_11_12_22_20

最終的に電子のスピンの向きで磁石を作っていることが分かっています。

でー、電子が磁性の原因であることがなんとなく分かったかと思いますが

次に「温度」ってものの概念は、分子の動き回り度みたいなものなんです。

この分子の自由電子の自由具合(温度とか)とそのスピンの並び(物質の構成の仕方とか)が絶妙な関係(YBCOが95ケルビンとか)、になったとき写真のような事態が起こる。

これ以上細かく説明するには統計量子物理が絡んでくるので控えるとして

それでも、今だにこの事態の理論は確立していなくて

最深部の方の話になると先生とかも「今のところ~っていう考え方が有力」みたいな口調になる。

実は今僕が説明したのも未来では間違ってるかも(笑

そう、謎に満ちてるんですこの学問。

俗にエキゾチック超伝導なんていう人がいる

それゆえ、お宝探しみたいなもので適当に混ぜた物質が低温状態で新たな物質になるなんてこともある。それが面白いところなのかもしれない。

ということで長々とすいませんでした。

なんか超伝導って「何がなんだかわかんねー」とか言う人に少しでも興味が持ってもらえれば幸いです。

それではおやっしゅ!

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コメント

実験して~。


俺的にはやっぱり、宇宙誕生の秘密に興味があるわ!

興味があっても、自分で考えるには大変なんで、おそらく研究者の発表を、へ~と聞く立場になるんだろうけど…。


ある意味お得な立ち位置にいるワケか…。

投稿: アナゴ | 2008年11月13日 (木) 09時59分

宇宙誕生か〜
物理じゃあ人気のある部門だ、天体物理もあるけど誕生の話になると素粒子物理っていう学門になるのかなー

クオークっていう一番小さな粒子が現在数種類あって、実は弱い力とか強い力とか重力っていう力の粒らしいけど、ビックバンが起きたとき一瞬でこのクオークが形成されて、数秒後に原子分子が形成され、そっから時間をかけてマクロな世界をつくったらしいよ。多分

まぁ僕はそれを直接見たわけじゃないから、それを聞いてもイメージ出来なかったけど

投稿: とり | 2008年11月13日 (木) 21時11分

小林さんともう1人の誰かが、そのクォークがもう何種類かあるってのを証明してたんだよな。

俺的に南部さんの「対称性の歪み」っていう理論が新鮮だった!

「人間の顔にひとつでもホクロがあったら左右対称じゃない」

「宇宙は絶対的な対象で、そこが非対称になった瞬間物質が…」

こんなこと思いつかんし、それを計算でやるってすげ~よな。

そう考えると絶対的な対称って何だよって思ってくる(笑)


こうなったらアナゴの顔を正面から書いて対称アナゴを作成しよう!

投稿: アナゴ | 2008年11月13日 (木) 22時32分

そっかーそういやノーベル賞も素粒子関係だったね。素粒子ってのはまさにクオークの話でそいつらがどういう特徴を持っているのかっていうのを勉強してるみたいよ

ちっとは旬な話題。

南部さんって人の凄いと思ったところは

物理をやってると「実験系」と「理論系」に別れるんだけど

(実験系は現象から考えて法則を導いたり何か作ったりする。理論系は白紙の紙からポンと一つの法則を立ててそれを理論的に証明していくみたいな感じ)

彼は、実験も理論も超越した感性を持っていて両方の分野で活躍してるってところ。

素粒子系の理論からも疑われるようになってきてるアインシュタインの相対性理論もボチボチ誰かがぶっ壊すかも。そしたら面白いなーって思ってる

投稿: とり | 2008年11月14日 (金) 01時11分

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