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2010年6月26日 (土)

ひまつぶしのお話

これは、よく僕が大学見学に来た高校生とかに超伝導に興味を持ってもらうために話すお話です。

「電気が流れる」というのは、その物体の中にある伝導電子が動くことによって発生する物理現象です。

さて、実際には電気が流れる物質or流れない(流れにくい)物質があります。

流れる物質のことを「金属」

ほぼ流れない物質のことを「絶縁体」、流れにくいのが「半導体」

というようにグループにわけて私たちは物質を取り扱っています。

中でも、電気が流れる特性を持つことから、金属の研究は古くからおこなわれてきました。

一般的には、金属を冷やしていくと、徐々にその電気抵抗は小さく傾向があります。

Cocolog_oekaki_2010_06_26_01_02

さて、ここで問題です。

金属を絶対零度、すなわち0K(-273℃)まで冷やすとその電気抵抗はどうなるでしょうか?

ヒントとして

二人の予想を紹介しましょう。

一人はドルーデさんの予想

「絶対零度では、原子の動きが小さくなって、電子を邪魔するものがなくなり抵抗が小さくなる。」

もう一人はケルビンさんの予想

「いやいや、原子にひっぱられて電子も動けなくなるから抵抗は上がるでしょう。」

Cocolog_oekaki_2010_06_26_01_10

さて、一体どちらの考えが正しいのでしょうか?

この議論に終止符を打とうとした人がいます。

それが、カマリン・オンネスさんという人です。

彼は、実際に金属を冷やしていけばわかる事じゃないか~と

温度を冷やす媒体としてHeの液化に成功させました。Heの液体はおよそ4K(-269℃)で、液体窒素(およそ70K)と比べても、とんでもなく低い温度実現を叶わせた。

さっそく、いくつかの金属を冷やしてみたところ

水銀において異常な現象を発見した。

「4.2Kで電気抵抗が突然に0になる!」(1911年)

Suigin_2

これが超伝導の発見です。

誰も予期せぬ結果だったため、オンネスは何回も水銀の電気抵抗を測りなおしたそうです。

以降、水銀以外でも超伝導転移が確認されるようになり。

電気抵抗0とマイスナー効果(磁石に浮く現象)の両方の現象をもつ物質を超伝導体とよんでいる。

現在では、さまざまな化合物において超伝導の報告があり

有名どころでは銅酸化物超電導体、鉄ヒ素系超伝導体、有機超伝導体などが世間をにぎわせています。

さてさて、金属の電気抵抗を調べるはずが超伝導の発見につながり、驚いたであろう。超伝導の幕開けは、この実験から始まりましたとさ…

ちなみにドルーデとケルビンの予想に関して

答えは、ドルーデ予想が正解です。

しかし、ケルビンじゃなくてドルーデが正解だということをちゃんと理解するには、量子、統計物理の知識が必要になります。

興味があれば物理の世界へどうぞ―結論は統計物理を履修した3年生のころにはきっとわかります。

みたいな感じで適当に話して勧誘してますが

この話の意外と受けがいいので、気に入ってつかってます。

実際、理論系じゃないので、物理の理論よりも、実験の楽しさを教える方が楽しいんですけどね~

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